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宇宙開発事業団では、本年9月3日16時58分に岩手県雫石付近で発生したマグニチュード6.1(気象庁発表:震源地、北緯39度48分、東経140度55分)の地震及び岩手山の火山性活動に伴い生じたと考えられる地殻の変動が、地球資源衛星一号に搭載している合成開口レーダー(SAR)の観測データを解析した結果検出できましたのでお知らせします。
本画像は平成9年11月5日観測のSAR画像と本年9月9日観測の同画像を干渉処理し、地殻の変動成分を抽出したものです。本図は東西南北ともに約40 kmの広がりを持ちます。図で薄緑色は地殻変動がないことを、緑->黄->赤は衛星へ近づく変化を、緑->青->紫は衛星から遠ざかる変化を表します。また、色の一周は11.7 cmの変化を表します。本図から二種類の特徴が読みとれます。
1)岩手山頂を一点とした一辺20 kmの三角形領域で最大10 cm程度の隆起が見られます。
2)葛根田川流域の断層を境に西側に最大48 cm程度の隆起が見られます。
第二の特徴については、現地調査の結果と非常によく一致しております。第一の特徴については、設置しているGPSがあまり多くなく検証には時間を要しますが、変化が広い地域で起こったことを初めて示したものです。このようにSARの干渉処理技術を用いることで地殻の面的な変動を高い精度で計測できます。
画像A 岩手山雫石近辺の地殻変動図
画像B 岩手山雫石近辺のSAR画像及び変動の模式図
| [ 画像 A ] | [ 画像 B ] |
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宇宙開発事業団では9月24日に、JERS-1 SARを用いた岩手山干渉解析結果により、1)岩手山頂を一点とした一辺20 kmの三角形領域で最大10 cm程度の隆起が見られること。2)葛根田川流域の断層を境に西側に最大48 cm程度の隆起が見られることを発表しました。事業団ではその後もデータ解析を続け、別添に示す44日毎の変化図が得られましたので、紹介いたします。
| Fig.1 | 98年4月と3月の変化図:ほとんど差がない。 |
| Fig.2 | 98年7月と4月の変化図:山全体が盛り上がっている。 |
| Fig.3 | 98年9月と97年11月の変化図:山全体の盛り上がりと地震による変化図が組み合わされている。 |
| Fig.4 | 98年9月と7月の変化図:実際は3)-2)で計算されている。地震による地殻変動を主に抽出している。 |
| Fig.5 | 98年6月と4月の変化図:山全体にも盛り上がるが、その変化は2)よりも少ない。(Fig.5) |
| Fig.6 | 98年7月と6月の変化図:山全体に盛り上がるが、その変化は2)よりは少ない。 |
| Fig.7 | 全体の振幅画像として、98年9月の画像を示す。 |
| Fig.8 | 振幅画像の高さ情報をわかりやすくするために、98年9月の画像の等高線を示す。 |
以前の発表画像に対して、SARの倒れ込み補正を行い、見やすくしました。
今後は:
| 1) | 継続して岩手山の地形変化解析を続ける。 |
| 2) | 異なる方向からの観測データと組み合わせ解析し、三次元変位を抽出する。 |
| 3) | 地上基準点との比較を行う。 |
を考えております。みなさまのご意見、ご質問、をお待ちしています。
宇宙開発事業団・データ解析センター島田政信(shimada.masanobu@jaxa.jp)
合成開口レーダー(SAR)の干渉処理とは、微少に異なる軌道から観測した二枚の画像を引き算処理し、距離の差を求めるものである。元々、SARは距離の差を1-2cmの精度で計測できるために、地殻変動のない場所の変動量を0とすれば、地殻変動量を1-2cmの精度で求めることができる。
| [ Fig.1 〜 4 ] | [ Fig.5 〜 8 ] |
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地球観測研究センター
Last Update: 15 October 1998