PALSARで観測したスマトラ島南部沖の地震

平成19年9月12日 20時10分(日本時間、以下同じ)、インドネシア国スマトラ島南部ブンクル州の南西約130km沖合、深さ34kmを震源とするM 8.4の地震が発生しました。9月17日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のPALSAR(パルサー)により現地の緊急観測を実施し、観測データを解析した結果、以下のような被災地の地殻変動パターンが確認できました。

【図・左】は、平成19年9月17日1時00分頃に取得した「だいち」搭載のPALSAR(パルサー)*1の画像データ【図・右】と、平成19年1月29日に同じくPALSARで取得した画像データを差分干渉処理*2させて得た地殻変動図です。これは1月29日から9月16日までの230日間における衛星-地面間の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したものです。 一番変動の大きかった場所は震源の北東にあるスマトラ島沿岸部で、ここでは隆起を含んだ地殻変動(地面が衛星に近づいたこと)が確認できます。

なお、今回観測できた図1の範囲では地殻変動を表す色の変化が4周期(1周期=11.8p)以上確認され、少なくとも47.2cm地面と衛星の距離が縮んだことが確認できましたが、これより東側の地域にかけてもさらに地殻変動の範囲は広がっているものと推測されます。


インドネシア国スマトラ島南部を平成19年9月17日1時00分頃に取得した「だいち」搭載PALSARの画像データ(図1右)と、平成19年1月29日に同じくPALSARで取得した画像データを差分干渉処理させて得た地殻変動図。2007年1月29日から9月16日までの230日間における衛星-地面間の距離の伸び縮み具合を面的に色で表したもの

図左: 地殻変動画像 (クリックで拡大画像へ)

平成19年9月17日1時00分頃(JST)に取得した「だいち」搭載PALSARのインドネシア国スマトラ島南部の画像データ

図右: 地震後の画像 (クリックで拡大画像へ)


©JAXA EORC

To top

JAXA,EORC 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター
Copyright©1997- JAXA EORC All rights reserved.