陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による中国雲南省地震の観測結果

2009年7月9日に中国雲南省で地震が発生しました(震央: 25.62°N、101.09°E、マグニチュード: 6.0)。宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)では7月11日午後13時2分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)、パンクロマチック立体視センサ(プリズム)によって現地の観測を実施しました。

図1:2009年7月11日午後13時2分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された中国雲南省付近の画像全体(黄枠はプリズムの観測範囲、緑枠は図2の範囲)

図1: 2009年7月11日に取得したアブニール・ツー画像(クリックで拡大画像へ)
取得日時: 2009年7月11日 午後13時2分頃(日本時間)
ポインティング角度: 0°
黄枠: プリズムの観測範囲
緑枠: 図2の範囲

図2:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のプリズムとアブニール・ツーから作成したパンシャープン画像による2009年7月9日に発生した中国雲南省地震震源地から東南東約15kmのところにある姚安県の集落(それぞれ3km四方、左:地震後、2009年7月11日観測、右:地震前、2008年11月23日観測)

図2: 姚安県集落のパンシャープン画像(それぞれ約3km四方)
左: 地震後(2009年7月11日観測)、右: 地震前(2008年11月23日観測)

(クリックで拡大画像へ)

図2は、震源地から東南東約15kmのところにある姚安県の集落付近の、プリズムとアブニール・ツー画像から作成したパンシャープン画像(*)です。右が地震前(2008年11月23日)で左が地震後(2009年7月11日)の画像です。パンシャープン画像は、地表・建物の様子などそれぞれのセンサだけで見るよりもわかりやすくなります。しかし、今回観測した画像は雲が多く、辛うじて地表面の様子を見ることができた場所でもうす雲がかかっており、地震前後の地表・建物等の変化を確認することはできませんでした。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

(*)プリズムとアブニール・ツーから作成されたパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、10mの地上分解能を有するアブニール・ツーを用いて、擬似的に2.5m地上分解能のカラー画像にしたものです。

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