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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるインドの集中豪雨被害緊急観測結果

南アジアのインド北部において、2010年9月18日から19日にかけて豪雨により洪水などの被害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年9月19日14時6分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1:インド北部のアブニール・ツー画像(ポインティング角度: 0度、青色枠: 図2〜4の範囲)と地図、2010年9月19日14時6分頃(日本時間)観測

図1:今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ)
観測日時: 2010年9月19日14時6分頃(日本時間)
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)
ポインティング角: 0°
青色枠: 図2、図3、図4の範囲

図1は今回観測した画像全体の様子を示したものです。全体を通して雲に覆われていますが、雲間から河川の増水等を確認することができました。図1の画像はバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。

図2:インド北部Semaria付近の河川氾濫の様子(それぞれ約10km×10kmのエリア)。左図:災害後(2010年9月19日), 右図:災害前(2010年3月19日)

図2: Semaria付近の河川氾濫の様子(それぞれ約10km×10kmのエリア)
左図: 災害後(2010年9月19日)、右図: 災害前(2010年3月19日)
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図3:インド北部Siswan付近の河川増水の様子(それぞれ約10km×10kmのエリア)。左図: 災害後(2010年9月19日)、右図: 災害前(2010年3月19日)

図3: Siswan付近の河川増水の様子(それぞれ約10km×10kmのエリア)
左図: 災害後(2010年9月19日)、右図: 災害前(2010年3月19日)
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図4:インド北部Gopal Ganj付近の河川増水の様子(それぞれ約12km×12kmのエリア)。左図: 災害後(2010年9月19日)、右図: 災害前(2010年3月19日)

図4: Gopal Ganj付近の河川増水の様子(それぞれ約12km×12kmのエリア)
左図: 災害後(2010年9月19日)、右図: 災害前(2010年3月19日)
(クリックで拡大画像へ)

図2(Semaria付近)、図3 (Siswanから6km付近)、図4(Gopal Ganjから北東へ約15km付近)において、災害後の2010年9月19日、および災害前の2010年3月19日に観測された画像から、ガンジス川流域を拡大したものです。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、水域が青く見えるため河川の増水を明確にとらえることができます。災害前の画像と比べ、災害後の画像では黄色枠で示した付近で河川が氾濫し、川幅が広がっていることが分かります。なお、図2および図4の黄色域では、水域が河川流路以外に広範囲に広がっており、大雨により河川が氾濫していると考えられます。
今後豪雨が続くようであれば、冠水被害が拡大するおそれがあります。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
取得された画像は、国際災害チャータおよびセンチネルアジアの枠組みにより、インド宇宙研究機関(ISRO)へ提供されます。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー): 青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像および2010年3月19日の画像は、0度で取得しました。

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