陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の緊急観測結果について(2)

2008年6月14日 午前8時43分(日本時間、以下同じ)頃、岩手県内陸部(深さ8km、M 7.2(暫定値))を震源とする地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では6月17日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のAVNIR-2(アブニール・ツー:観測幅70km、分解能10mで観測)により現地の緊急観測を実施しました。

図1右:今回観測した場所の位置
図1左:6月17日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のAVNIR-2で観測した岩手・宮城内陸地震被災後の岩手・宮城・山形・秋田県境周辺

図1: 今回取得した画像全体と位置関係
取得日:2008年6月17日10時8分頃、センサ:AVNIR-2(アブニール・ツー)
赤枠:図2〜4の範囲、黄色枠:2008年6月15日観測地点の拡大箇所

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参考: 2008年6月15日観測「陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の緊急観測結果について

図2: 荒砥沢ダム北側の土砂崩れ(左:被災後、右:被災前)

図2: 荒砥沢ダム北側の土砂崩れ(左:被災後、右:被災前)

図2は宮城県栗原市の荒砥沢ダム北側の土砂崩れの様子です。雲の隙間からですが、その規模の大きさがうかがえます。荒砥沢ダムの北側に土砂が流入しているように見えます。また若干水位も上がっているように見えます。震源からこの付近までは約15kmです。

図3:磐井川流域付近の土砂崩れ(左:被災後、右:被災前)

図3: 磐井川流域付近の土砂崩れ(左:被災後、右:被災前)

図3は岩手県一関市を流れる磐井川を土砂が覆い、川の流れを堰きとめている様子がうかがえます。また、磐井川北側の山林でも土砂崩れが発生しています。震源からこの付近までは約6kmです。

図4:鬼首温泉から北東2.5km地点の土砂崩れ

図4: 鬼首温泉から北東2.5km地点の土砂崩れ

図4は宮城県大崎市の鬼首温泉から北東2.5km地点で発生した土砂崩れのようすです。すぐ近くに特別天然記念物の鬼首の雌釜および雄釜間歇温泉があります。震源からこの付近までは約29kmです。

図5: 観測地点の地図(A、Bは2008年6月15日の観測地点を示す)

図5: 観測地点の地図(A、Bは2008年6月15日の観測地点を示す)
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なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測し、随時発表する予定です。

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