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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるアンデス山脈の氷河崩落被害による緊急観測結果

2010年4月11日、アンデス山脈の氷河の一部が下に位置する湖に崩落し、それに伴って湖水があふれ下流の町に被害を及ぼしました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年4月16日0時25分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1:2010年4月16日0時25分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された画像全体(ポインティング角:-22度, 黄枠:図2の範囲)

図1: 今回観測した画像全体
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取得日時: 2010年4月16日0時25分頃(日本時間)
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)
ポインティング角度: -22°、黄枠: 図2の範囲

図1は今回観測した画像全体の様子を示したものです。氷河が崩落した湖はワスカラン国立公園内にあり、アンカシュ州ワラスから北に約36kmに位置しています。

図2:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された氷河崩落により水があふれた湖と下流の町Carhuaz付近の拡大、左:氷河崩落後(2010年4月16日), 右:氷河崩落前(2010年4月9日)

図2: 氷河崩落により水があふれた湖と下流の町Carhuaz付近の拡大
左:氷河崩落後(2010年4月16日), 右:氷河崩落前(2010年4月9日)

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図2は氷河崩落により水があふれた湖と、その下流にあるCarhuazという町の付近を拡大したものです。画像の右側の白い部分には雲もありますが、大部分が山を覆っている雪や氷です。

図3:陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)により観測された氷河が崩落したと考えられる湖の拡大(それぞれ約6km×6kmのエリア)、左:氷河崩落後(2010年4月16日), 右:氷河崩落前(2010年4月9日)

図3: 氷河が崩落したと考えられる湖の拡大(それぞれ約6km×6kmのエリア)
左:氷河崩落後(2010年4月16日), 右:氷河崩落前(2010年4月9日)

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図3は氷河崩落により水があふれた湖を拡大したものです。氷河崩落前(8日前)の画像と比較すると、氷河崩落後の湖は茶色くなっているのがわかります。また、湖に接する氷河も茶色く変色しており、氷河崩落の基点がわかります。湖の下流には、あふれて流れた水が運んで堆積した砂礫の跡と思われる白い線が見えます。

*1
高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー): 青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は-22度で取得しました。

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